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総説
小脳核の定位脳手術
著者: 駒井則彦1
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1135 - P.1143
文献購入ページに移動はじめに
古くより小脳は神経生理学的研究の好個の対象として検索が加えられてきた.1908年,Horsley and Clarke14)がstereotactic techniqueを初めて動物実験に用いたのも小脳機能の研究のためであった.最近に至っては形態的,機能的にも大脳皮質と小脳とのニューロン結合が次第に明らかにされ,姿勢および運動制御にこれらのニューロン回路が強く関与することが判明してきた.
臨床的にも小脳症状として平衡の障害,運動の障害および筋緊張低下などがよく知られており,小脳は運動協調を司どる重要な器管であると考えられている.即ち小脳は大脳との機能協調により筋緊張,運動制御を行っているのであって,どちらかの機能脱落が起こればこの関係は容易に破綻し姿勢,筋緊張の異常や異常運動が出現するのである.ここに大脳機能の部分的廃絶による筋緊張,姿勢および運動の異常を小脳機能を矯正することにより治療しようとする試みが生れてくるのである.
古くより小脳は神経生理学的研究の好個の対象として検索が加えられてきた.1908年,Horsley and Clarke14)がstereotactic techniqueを初めて動物実験に用いたのも小脳機能の研究のためであった.最近に至っては形態的,機能的にも大脳皮質と小脳とのニューロン結合が次第に明らかにされ,姿勢および運動制御にこれらのニューロン回路が強く関与することが判明してきた.
臨床的にも小脳症状として平衡の障害,運動の障害および筋緊張低下などがよく知られており,小脳は運動協調を司どる重要な器管であると考えられている.即ち小脳は大脳との機能協調により筋緊張,運動制御を行っているのであって,どちらかの機能脱落が起こればこの関係は容易に破綻し姿勢,筋緊張の異常や異常運動が出現するのである.ここに大脳機能の部分的廃絶による筋緊張,姿勢および運動の異常を小脳機能を矯正することにより治療しようとする試みが生れてくるのである.
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