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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻12号

1978年12月発行

文献概要

症例

Slit ventricleによるshunt systemのon-off mechanism

著者: 園部真1 児玉南海雄1 藤原悟1 高久晃1 鈴木二郎1

所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科

ページ範囲:P.1193 - P.1196

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Ⅰ.はじめに
 乳幼児水頭症のシャント術後に短絡管が閉塞しても,何ら症状を呈さない場合,shunt independent arrest(Holtzer)4)と呼ばれている.本状態には,transependymal absorptionなどにより,髄液の産生吸収のバランスがとれている代償性水頭症の程度の軽いもの,または髄液流通路の閉塞が何らかの機転により解除したcured hydrocephalusの両者が含まれるものと考えられる.この様な症例に対しては,不要となったシャントの抜去術も行われている.
 最近,シャントのチェックバルブを検討した時には作動しているように見えても,その他の診察時には,シャントは非作動状態であり,患者の一般状態も良好であるために,シャント管を遮断してみたところ,極めて強いシャント依存性を呈し,症状の急変をみた2例を経験した.これらの原因となったメカニズム,更に乳幼児水頭症術後における脳外套増大とシャント依存状態との関係について検討考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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