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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻12号

1978年12月発行

文献概要

症例

Automatismをもって発症したactinomycotic brain abscess—症例と文献的考察

著者: 野中信仁1 高本憲治1 丸林徹1 松角康彦1

所属機関: 1熊本大学脳神経外科

ページ範囲:P.1219 - P.1223

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Ⅰ.はじめに
 ヒトにおけるactinomycosisの最初の報告は,lsrael(1878)9)によるといわれるが現今稀な疾患となった.その中でも,中枢神経系の罹患は更に少なく,Cope5)の統計によると,全症例中わずか1%にすぎない.多くは,他臓器感染巣からの,血行性あるいは直接進展による二次性のものであり,原発性脳アクチノマイコーシスはきわめて少ない.
 本疾患は,細菌とかびの中間の性質を有する放線菌により発症する真菌症で,抗生物質が有効であり,外科的に全摘することにより高い治癒率を示す.今回,われわれは,約11年前の頭部外傷に起因する原発性のactinomycotie brain abscessがautomatism様の発作で発症し,外科的に全摘し術後良好な経過を示した症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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