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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻2号

1978年02月発行

文献概要

総説

視床下部ホルモン

著者: 井村裕夫1 加藤譲1

所属機関: 1京都大学第2内科

ページ範囲:P.111 - P.120

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Ⅰ.はじめに
 下垂体前葉ホルモンの分泌が中枢神経系,とくに視床下部によって調節されていることはかなり古くより知られていた.そして下乖体前葉と視床下部との間に神経線維による連絡がないところから,体液性調節が想定されていた.この体液性調節物質として最初に注目されたのはエピネフリン(Sawyerら1),1948)であるが,次いで1955年にGuilleminら2),Saffranら3)がACTHの放出を促進するcorticotropin releasing factorを発見するに及んで,個々の下垂体ホルモンの分泌を調節する非アミン性のreleasing factor(releasing hormoneとも呼ばれる)やinhibiting factor(inhibiting hormone)の存在が次々と報告され,RFまたはIFによる下垂体前葉機能調節の古典的概念が確立された4).こうしたRF,IFは下垂体門脈系を経て下垂体前葉に達するところから,向下垂体性視床下部ホルモン(hypothalamic hypophysiotropic hormone)または単に視床下部ホルモン(hypothalamic hormone)とも呼ばれる,厳密に言えばvasopressin,oxytocinなどの下垂体後葉ホルモンも視床下部ホルモンに含めるべきであるが、通常は向下垂体性ホルモンを単に視床下部ホルモンと呼んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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