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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻2号

1978年02月発行

文献概要

Current Topics

脊髄鏡および脳底部内視鏡

著者: 福島孝徳1

所属機関: 1東京大学脳神経外科

ページ範囲:P.131 - P.134

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はじめに
 脳室系病変(特に第3脳室)の直視診断を目的として細い脳室ファイバースコープの実用化を志ざしたのは1968年暮のことで,すでに一昔前の話である3).1971年に現在の型(オリンパスCVF4mm)を完成し4,5),今までに臨床例は61例,biopsyは21例に達している10).直視下診断のみならず,内視鏡的小手術を含めて,その有用性は充分確認されている6,7)
 さて,この脳室スコープを臨床応用する傍ら,著者の関心は脳底槽や脊椎腔などのより狭いspaceの観察に応用できる極細内視鏡の開発であった.極細ファイバースコープは夙に尿管用として開発されていたが22),現在の高度の技術をもってしても外径2mm以下に下げることは至難の技である.理論的にはもちろん外径1mmのスコープも製造可能であるが視野・解像力・照明の,点で実用に至らぬのである.ところが近年,Selfocと呼ばれるユニークな光学ガラスが発明され,非常に細径の内視鏡が作れるようになった.このSelfoc-scopeは,渡辺により初めてSmall jointに対する関節鏡として臨床に応用された23).著者は,西ベルリン滞在中およびMayo Clinicにおいて,東京オリンパス本社,Olylnpus Europa,Olympus Corp.AIllericaより多大の協力を得て,脳神経外科用の種々の細径内視鏡を開発,使用してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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