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研究
難治性術後髄膜炎の免疫併用療法
著者: 清水隆1 窪田惺1 鬼頭健一1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.153 - P.159
文献購入ページに移動脳神経外科領域における術後感染症の発生率は3-8%で2,19),そのうち40-70%は化膿性髄膜炎である.術後髄膜炎の起炎菌は従来ブドウ球菌を主体とするグラム陽性球菌であったが,近年,いわゆるopportunistic infection9)といわれるグラム陰性桿菌による髄膜炎の比率が増加してきている4,8,14).
術後,髄膜炎が発症した際,起炎菌の同定,感受性抗生物質の決定と共に早急な治療の開始が必要である,しかし往々にして,起炎菌が不明なことも多く,一般には髄腔内移行率の高い広域性抗生物質の全身投与,および髄腔内投与が行なわれ,一応の治癒をみていることが多い.そのため,ややもすれば術後髄膜炎の治療に対し,安易に広域性抗生剤の大量投与,髄腔内投与でよしとする風潮もあるように思われる.
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