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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻2号

1978年02月発行

文献概要

症例

眼球突出をきたし,10数年を経過した眼窩内器質化血腫の1例

著者: 山下俊紀1 細田浩道1 篠永正道1 藤津和彦2 桑原武夫2

所属機関: 1横須賀共済病院脳神経外科 2横浜市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.185 - P.189

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Ⅰ.はじめに
 眼窩内に何らかの原因で生じた血腫は,比較的急速に吸収され,消失するのが常である.これが血腫として存続し,器質化するのはきわめて稀なことである.眼窩内器質化血腫(organized hematoma,blood cyst,hernatic cyst,hematocele)は,文献にみても我々が調べ得た限りでは,欧米に18の報告があるのみで,本邦ではその報告を未だみない19).この器質化血腫も他の眼窩内腫瘍と同様に,眼球突出,眼球運動障害,視力障害などの眼症状を示すが,その特有な徴候はない.我々は,発症より10数年を経過した眼窩内器質化血腫を摘出する機会を得たので,この症例を報告するとともに,文献的考察の上に本症例の特異性に触れ,いわゆる眼窩内腫瘤を扱う際に一考を要する病変であることを強調する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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