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総説
脳浮腫—脳の微細病理形態からみた解説
著者: 平野朝雄1 松井孝嘉1
所属機関: 1モンテフィオーレ病院神経病理学教室
ページ範囲:P.211 - P.219
文献購入ページに移動脳浮腫は,ほとんどすべての脳神経疾患に,多少の差はあっても,附随して起こるため,臨床的には,最も関心のあるテーマであるが,そのメカニズムについては,従来より幾多の学説が発表されており,その中には,根本的に書き改められた部分も多い2,4-6).脳浮腫は,その原因によって,また,時間的経過によっても,その様相を異にし,浮腫液の貯留する場所も異なってくる.そのため,複雑で,大変理解しにくいテーマとなっている.
脳浮腫で重要な役割を演ずるのは,水分の異常な増加,および,その移動であり,脳浮腫の大部分をしめるvasogenic edemaでは,その源泉は,血管に由来する4,5).
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