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研究
脳神経外科領域における術中輸液と術後意識状態
著者: 田口薫1 井奥匡彦1 滝本洋司2 堀部邦夫2 金城孝2 赤木功人2
所属機関: 1近畿大学脳神経外科 2国立大阪病院脳神経外科
ページ範囲:P.245 - P.252
文献購入ページに移動脳神経外科領域において,開頭手術をうけた患者がよい経過をとるか否かを決定する大きな因子の1つに,輸液管理の問題がある.しかもこれは手術侵襲の大きいもの程術後の覚醒に大きく関係するものである.またあるときには術後に発生する脳浮腫という事態にも関係することがあるであろう.その事実は,正しい手術適応と最良のapproachで手術がなされたにもかかわらず,それらの症例のなかには意識の回復が予想外に遅れる例や,術後の脳浮腫が重篤かつ長期にわたる例があること,これとは反対に止むを得ず大きな侵襲を加え長時間を要した手術であったにもかかわらず意識の回復が速く,しかも術後の脳浮腫がほとんど発生していない症例があること,などを考えると輸液を検討することは重要である.本研究はかかる見地から臨床的になされたものであり,脳神経外科領域における術中術後の輸液が患者の意識回復にいかに大きな影響を及ぼすかを観察検討したものである.
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