icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻3号

1978年03月発行

文献概要

研究

カメレオン・プリント®を利用した新しい髄液短絡管の機能判定法

著者: 山崎駿1 苧坂邦彦1 平山昭彦1 藤田勝三1 松本悟1

所属機関: 1神戸大学脳神経外科

ページ範囲:P.253 - P.257

文献購入ページに移動
I.はじめに
 水頭症患者において髄液短絡管の機能を把握することは長期予後の面からみて重要な問題である.もちろん,本来は臨床症状によって判定されるべきであるが,極めて緩徐に進行する慢性水頭症の場合,その判定は必ずしも容易ではない.私どもは髄液短絡術にはPudenz氏flushing deviceのついた短絡管を使用しているが,短絡管の開閉判定の手段として頭皮を介してのflushing deviceの圧縮方法の信頼性に限界を感じることがある11).短絡管の開存を確認するその他の与法としては,アイソトープ8,14)や造影剤1,3)をflushing deviceの中に直接注入する方法やinfusion testによる方法2,15)などが試みられている,前者は判定が比較的確実であるが,注射針によりflushing deviceが損傷する恐れや,感染をひきおこす可能性があり,頻回の検査を行なえない.後者は間接的な判定法なので,その判定があいまいになることもある.新しい方法として超音波ドプラ法を応用した方法が報告されている5),flushing deviceを押して髄液の流れをみるので短絡管の開存は確認できるが,平常の状態で短絡管内を髄液が流れているか否かを検査しているのではない点に問題があり,また呼吸や血流などによるartifactが入りこむ可能性もあり,まだ実用化の域に達していない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら