icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻3号

1978年03月発行

症例

血友病Bに起因する頭蓋内出血—乳児脳内血腫の1手術治験例と文献的考察

著者: 伴野悠士1 中田義隆1 小野純一2 牧野博安2

所属機関: 1筑波大学脳神経外科 2千葉大学脳神経外科

ページ範囲:P.281 - P.286

文献概要

 血友病に頭蓋内出血を合併する頻度は,8.7%31),13.8%19),あるいは15.4%18)といわれ,関節内や筋肉内出血の頻度に比し,そう高いものではない.しかしその死亡率は,Silverstein31)によれば71%と高率で,近年の凝固因子補充療法の進歩によりその率が低下したとはいえ,最近の吉田の血友病に関する全国的な実態調査によれば,血友病患者の死亡原因では頭蓋内出血が55%で第1位を占めるという.更に,従来本邦では欧米に比し少ないといわれていた血友病患者が,調査の結果欧米並の頻度であることも判明している.血友病患者にとって,頭蓋内出血は最も恐るべき合併症であることに変りはない.又一方,手術適応の症例でも,まだなかなか手術にふみきれないという場合も多いようである.
 今回われわれは,術前診断されていなかった血友病Bの乳児で,輸血のみで手術を行い,救命しえた脳内血腫例を経験したので,その概略を報告し,血友病に合併した頭蓋内出血の臨床的特徴等につき,文献的検討を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら