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研究
RI ventricular clearance法による水頭症患児の髄液循環動態の研究—特にmild and slowly progressive hydrocephalusを中心に
著者: 松森邦昭1 喜多村孝一1 山崎統四郎2
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経センター放射線科
ページ範囲:P.445 - P.452
文献購入ページに移動髄液のdynamicsを捕える方法として今日広くRI cisternographyが用いられている.しかしRI cisternographyは,脊髄くも膜下腔より上行する髄液流をみており,脳室系より脊髄,脳表くも膜下腔に至る生理的髄液流を直接知ることはできない.脳室系よりのこの生理的髄液流を捕える方法としてRI ventriculographyが知られている4,5,6,9).しかし脳室へ直接RIを注入するという操作を伴うこと,およびscintigramで経時的変化の概略を追うのみで細かいあるいは数値的な情報量が得難いことから,現在一般に普及している検査法ではない.そこで大泉門が開大し脳室穿刺が容易な乳児を対象として,連続脳室scintigraphyを1時間のRI ventricular clearanceとして定量化する試みを行った.
本法を小頭症患児に施行した結果はすでに報告した3,13).
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