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研究
実験的脳梗塞(第2報)—視床梗塞モデル犬の局所脳波の変化とその応用
著者: 坂本哲也1 田中悟1 吉本高志1 渡辺孝男1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科
ページ範囲:P.453 - P.457
文献購入ページに移動従来,犬では実験的に脳梗塞巣を作製することは非常に困難とされていたが14),著者の一人,吉本の開発した方法によれば15,16),視床部に限局した梗塞巣を約70%の動物において作製することができた.そこで実験モデルとしてさらに確実なものにするために,脳波的技法を併せ用いたところ,視床梗塞巣の発現をあらかじめ予知でき,その作製頻度をほぼ100%にまで高めることができた,さらに,この実験モデルの作製によって,乏血病巣あるいは梗塞病巣脳波を経時的に検討することにより,病巣部の組織学的変化あるいは生化学的変化の経時的推移を推測することができ,また種々の薬剤の梗塞などに対する効果も観察し得るものと考えられる10).本稿では,これら視床梗塞モデル犬の脳波応用の意義について述べる.
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