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症例
Cerebral Polyuric Hyponatremiaの1例
著者: 宍戸豊史1 郷間徹1 善家迪彦1 本崎孝彦1 森洋二1 榊三郎1 松岡健三1
所属機関: 1愛媛大脳経神外科
ページ範囲:P.491 - P.497
文献購入ページに移動第3脳室近傍や視床下部下垂体部の病変によって水分電解質の代謝異常が招来されることはよく知られている.この水分電解質異常を血清Na値よりみると,いわゆる尿崩症に代表される高Na血症をきたす疾患群とSyndrome of Inappropriate Secretion of Antidiuretic Hormone(以下SIADH)に代表される低Na血症をきたす疾患群に大別される,しかしながらこの両群に分類されがたいものとして最近新たな中枢性の低Na血症を示す中枢性多尿性低Na血症(Cerebral Polyuric Hyponatremia)なる病態が提唱されている9).
今回われわれは鞍結節部髄膜腫の術後に40l/day以上に及ぶ著しい多尿,pitressinの奏効困難,尿中Na排泄増加に伴う一過性可逆性の低Na血症および口喝感を伴った1例を経験した,その病態は,いわゆる中枢性多尿性低Na血症に一応合致すると考えられるので報告する.
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