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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻5号

1978年05月発行

文献概要

症例

脳動脈瘤手術後,反対側に硬膜外血腫の発生した1例

著者: 岡信男1 渡辺義郎1 佐藤章2 牧野博安2

所属機関: 1川崎製鉄千葉病院脳神経外科 2千葉大学脳神経外科

ページ範囲:P.505 - P.508

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Ⅰ.はじめに
 硬膜外血腫は,その大部分は外傷性であり,非外傷性のものとしては頭蓋周囲の炎症に伴うもの7,8),血液疾患や心血管系の手術などに伴う凝固機能の異常によるもの4),などが報告されている.開頭術の合併症として,開頭部位より隔った部位に硬膜外血腫の発生することは従来より文献上に報告されている.しかし,それらの例は,術中に脳の退縮を図るためにburr holeより脳室穿刺を行っている場合が大部分で,硬膜外血腫とburr holeとの関係を示唆する例も少なくない1,2,3,9).また,硬膜外血腫による症状の発現も,術中に起こる急激かつ不明の脳腫脹として5),または,術後早期の神経症状の悪化として起こる場合6)のように,比較的早期にみられている.今回われわれは,左内頸動脈—後交通動脈の動脈瘤に対し低体温麻酔下でクリッピングを施行し,術後約2週間目に,軽度の左片麻痺を伴って発症した術後硬膜外血腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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