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研究
高血圧性脳内出血に関する研究(第3報)—大脳基底核部出血の手術適応決定上の因子について
著者: 中原明1 西村敏彦1 三浦直久1 加川瑞夫1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.647 - P.655
文献購入ページに移動わが国における死因第1位の座を中枢神経系血管障害が占めるようになって久しい.その中で高血圧性脳内出血死が重要な位置にあることは周知の事実である.この高血圧性脳内出血に対し外科的治療が行われるようになって,本邦では30年余を経るが,外科的治療,保存的治療法のいずれを選ぶかの境界線はいまだに明確でない4,6).そして,その手術適応に関する報告は近年いたずらに多くみられるが,統一的な見解はまだみられていない.
われわれは,昭和50年8月末のCT(EMI scanner)導入以来,高血圧性脳内出血の診断における有用性を利用し,形態学的病型分類7)を試み,診断,治療,予後推定に役立たせてきた.CTによる新情報を含め,高血圧性脳内出血の治療上,どのような病態の折に手術に踏み切るべきか,またどのような時に外科的治療が優るのかについて病態を形成する要因別に少しく検討を加えてみた.
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