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研究
脳動脈微細構造変化と脳血管攣縮—実験的研究
著者: 田辺祐介1 香川泰生1 高田光昭1 山田弘1 坂田一記1
所属機関: 1岐阜大学第2外科
ページ範囲:P.663 - P.672
文献購入ページに移動くも膜下出血(SAH)後に発生する脳血管攣縮は患者の生命的,機能的予後に重大な影響を与える現象であり,その発生機構解明の努力が諸家により鋭意なされているが,いまだその本態が十分に解明されたとはいえない現況である.SAH後に発生する脳血管攣縮は実験的に二相性を示すことが明らかにされているが7),SAH直後より発現し1時間以内に消退するものはacute phaseあるいはearly spasm(ES),SAH 4-24時間後より発現するものはchronic phaseあるいはlate spasm(LS)と呼称されている.
ESとLSには病態生理学的に種々の相違がみられ,両者の病因の違いが指摘されている11,22)近年.セロトニンがESの病因の主役をなしているという説が有力となっており7,19),学者の関心はLSの病因となるべき化学物質の解明に向けられている3,4,5,12,13,27,28,29)
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