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研究
脳動脈瘤症例における脳血管撮影の合併症について
著者: 新妻博1 郭隆璫1 大井隆嗣1 片倉隆一1 溝井和夫1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科
ページ範囲:P.673 - P.679
文献購入ページに移動脳血管撮影は脳動脈瘤の診断に不可欠であるばかりでなく,その外科的治療を行うにあたって,術前に動脈瘤およびその周辺の情報を得る最も有効な補助的診断法である,特に最近は安全な造影剤の開発・技術的進歩に伴って,比較的容易に行い得る検査法の1つとなっているが,脳血管撮影における合併症はなお重大な問題である.
著者らは,1961年6月から1975年9月までの約14年間に,1,080例の嚢状脳動脈瘤を経験し,うち1,000例に対して直接手術を施行し得たが,一方これらの症例に対して頻回の脳血管撮影を行い,種々の合併症に遭遇している.従来より脳血管障害例では脳血管撮影による合併症の発生率が高いとされ,また脳動脈瘤では,血管撮影中の動脈瘤破裂が起こり得ること等の問題が指摘されているが,本論文では頻回の脳血管撮影を余儀なくされるこれら脳動脈瘤の脳血管撮影による合併症についてまとめ,若干の考察を加える.
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