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レーザーによる脳腫瘍の治療
著者: 滝澤利明1
所属機関: 1中央鉄道病院脳神経外科
ページ範囲:P.743 - P.745
文献購入ページに移動現代の脳外科は1926年にH.Cushingが親友W.T.Bovieの作った電気メスを導入した時からはじまったと言えるであろう.以来すでに半世紀が経過したが,今日なお世界中の脳外科は本質的には同じ電気メスに頼って手術を行っていると言っても過言ではない.
一方レーザーは1960年量子エレクトロニクスの成果として誕生した.すなわち米国のT.Maimanの開発したruby laserとA.Javanの開発したHe-Ne laserである.第二次大戦中,各国はradarの解像力を向上させるため次第に波長の短い電磁波を研究するようになり,戦後microwaveの波長領域での誘導放出に成功するに至った.すなわち米国のコロンビア大学のC.H.Townes教授とソ連科学アカデミーのN.G.BasovおよびA.N.Prokhorovによるmaserの誕生である.この3人は1964年ノーベル賞を受賞している.
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