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Microcirculation
著者: 江藤胤尚1 尾前照雄1
所属機関: 1九州大学第2内科
ページ範囲:P.855 - P.858
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
Microcirculationは循環器系の最終器官であるmicrovasculatureを場とし,基本的な2つの機能を営んでいる1).1つは組織への栄養補給であるが,この原動力は拡散である.拡散は溶質の濃度勾配によって生ずるが,分子の大きさ,脂質溶解性や血管壁の特性によって影響を受ける.もう1つは,血液と組織間液との液体成分の交換にあつかり,組織の滲透圧を維持する機能である.観点を変えると,これらの機能は,粒子や液体が毛細血管壁をどのような機序や法則に従って越えるか,つまり血管透過性の問題としてとらえることができる.本稿では,脳の血管系を含めた血管透過性に関する最近の知見を紹介したい.
Microcirculationは循環器系の最終器官であるmicrovasculatureを場とし,基本的な2つの機能を営んでいる1).1つは組織への栄養補給であるが,この原動力は拡散である.拡散は溶質の濃度勾配によって生ずるが,分子の大きさ,脂質溶解性や血管壁の特性によって影響を受ける.もう1つは,血液と組織間液との液体成分の交換にあつかり,組織の滲透圧を維持する機能である.観点を変えると,これらの機能は,粒子や液体が毛細血管壁をどのような機序や法則に従って越えるか,つまり血管透過性の問題としてとらえることができる.本稿では,脳の血管系を含めた血管透過性に関する最近の知見を紹介したい.
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