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研究
脳神経外科領域におけるプロラクチンの分泌動態—その測定の臨床的意義
著者: 武田文和1 藤井卓1
所属機関: 1埼玉県立がんセンター脳神経外科
ページ範囲:P.871 - P.880
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
下垂体およびその付近に生じる病変は脳神経外科領域において主要な位置を占めており,その臨床症候は眼症状と視床下部下垂体機能異常に基づく様々な症候群によって代表されている.近年,radioimmunoassay(RIA)が普及し,下垂体の各ホルモンの血中濃度を容易かつ頻回に測定することが臨床的に可能となり,視床下部や下垂体の病変における内分泌機能の変動が前葉機能異常を中心に解明されつつあり,脳神経外科の治療成績の向上に大きく貢献している.またホルモン依存性悪性腫瘍や重症糖尿病などの治療を目的とした下垂体への外科的侵襲の効果が評価されているが1,2,8,9,16),その際にも視床下部下垂体機能の正確な追跡が必要となっている.
われわれはこれらの病態におけるホルモンの分泌動態の障害を成長ホルモン(HGH)を中心に数年来検討してきたが3,12,19,19,20,21,22,23),最近,国産されたプロラクチン(PRL)測定用のRIA kitを使用して下乖体部の外科におけるPRL分泌動態をも同時に検討している.ここにその成績を報告し,血中PRL測定の臨床的意義について考察したい.
下垂体およびその付近に生じる病変は脳神経外科領域において主要な位置を占めており,その臨床症候は眼症状と視床下部下垂体機能異常に基づく様々な症候群によって代表されている.近年,radioimmunoassay(RIA)が普及し,下垂体の各ホルモンの血中濃度を容易かつ頻回に測定することが臨床的に可能となり,視床下部や下垂体の病変における内分泌機能の変動が前葉機能異常を中心に解明されつつあり,脳神経外科の治療成績の向上に大きく貢献している.またホルモン依存性悪性腫瘍や重症糖尿病などの治療を目的とした下垂体への外科的侵襲の効果が評価されているが1,2,8,9,16),その際にも視床下部下垂体機能の正確な追跡が必要となっている.
われわれはこれらの病態におけるホルモンの分泌動態の障害を成長ホルモン(HGH)を中心に数年来検討してきたが3,12,19,19,20,21,22,23),最近,国産されたプロラクチン(PRL)測定用のRIA kitを使用して下乖体部の外科におけるPRL分泌動態をも同時に検討している.ここにその成績を報告し,血中PRL測定の臨床的意義について考察したい.
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