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研究
小児の急性硬膜下血腫(水腫)—その成因についての考察
著者: 山田博是1 景山直樹1 中島正光2 中村茂俊3
所属機関: 1名古屋大学脳神経外科 2中島脳神経外科 3愛知県コロニー中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.55 - P.62
文献購入ページに移動小児の硬膜下血腫のうち慢性硬膜下血腫は討論される機会が多い.しかし急性硬膜下血腫は乳児期ではどの年代よりも多数を占め,成人と非常に異なった病態を示すにもかかわらず,文献的にも多くはなく,あまり深く検討されていないようである.またその成因についてもbridging veinsの破綻による是,のと一般に認められているが16,17),小児の急性硬膜下血腫は水腫または髄液成分の多い血腫の方がむしろ多いようであり1,7,8),静脈からの出血のみからは必ずしも充分説明出来ない.またその病態についてもまだ不明の点が多いようである.
最近CT scanが導入され乳幼児の頭部外傷にも利用される機会が多くなってきている24).2歳以下の急性外傷例ではくも膜下腔に脳脊髄液(CSF)が貯溜した症例も少なからずみられる25).この状態の臨床的意義,硬膜下血腫(水腫を含む)との関係を検討し,それぞれの成因に対して考察を加えてみた.
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