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研究
CT像よりみた後縦靱帯骨化症の検討
著者: 角家暁1 中村勉1 大橋雅広1 広瀬源二郎2 多田明3
所属機関: 1金沢医科大学脳神経外科 2金沢医科大学神経内科 3浅ノ川総合病院CTセンター
ページ範囲:P.63 - P.70
文献購入ページに移動後縦靱帯骨化症は,従来単純X線像,特にその側面像に加えて,断層撮影を行って言参断をくだし,脊髄の圧迫の有無はmyelographyによってみて来た.しかし骨化巣の形態,またその拡がりをX線上で正確に診断することは必ずしも容易でなく,特にspondylosisを合併した場合,また骨化巣が下位頸椎,胸椎にある場合などには,その程度を明確に読影することは甚だ難かしかった.私共は後縦靱帯骨化症による脊椎管狭窄の詳細を知るために,従来回転断層を併用してきたが,像の鮮鋭度は必ずしも十分でなく,満足のいく情報を得ているとは言えなかった11).
最近全身用のCT scanが導入され脊椎,脊髄の診断にも試みられている8,10,15).私共は後縦靱帯骨化症のCT scanを検討したところ,脊椎管内の骨化巣の部位,大きさ,連続性が正確に描出されるばかりでなく,CT scan上の骨化巣.脊椎管の面積測定より狭窄率が計算出来るため,骨化巣と神経症状の相関,更には手術々式を考慮する際に,従来のX線診断のみでは得られない重要な情報を得ることが判って来た.今回,後縦靱帯骨化症のCT像の検討より骨化巣の形態,狭窄率と神経症状,spondylosisとの関連などについて報告する.
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