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症例
小児脳動脈瘤の2例—症例報告および年齢と好発部位に関する考察
著者: 伊藤保博1 田崎寿人1 樋口皓史1 中沢省三1
所属機関: 1日本医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.983 - P.988
文献購入ページに移動小児脳動脈瘤は近年その症例報告が増えつつあるが,決して多いものではない.本邦における鈴木ら30)の集計でも10歳以下が0.1%,11歳から20歳までが1.9%で小児例はきわめて少ない.また小児脳動脈瘤は,成人のものと比べ好発部位が若干異なっている事が指摘されているが1),中には成人例に見られるごとく動脈瘤頸部にアテローム硬化を有しているものも報告されている18,24,35).
われわれは昨今,2例の小児脳動脈瘤を経験した.症例1は中大脳動脈遠位部に発生し脳内血腫を合併した重症例であり,症例2は前交通動脈に発生し,かつその頸部にアテローム硬化が認められた症例で,いずれも手術により全治退院した.以上2症例につき病因の推察と若干の文献的考察を加えて報告する.
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