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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻11号

1979年11月発行

文献概要

守備の心

著者: 和賀志郎1

所属機関: 1三重大学脳神経外科

ページ範囲:P.1021 - P.1022

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 私は草野球の選手です.30代にいかにも草野球らしく下腿骨骨折に見舞われ,もう草野球とはお別れと諦めていました.ところが主だ空地の多い田園地帯に引越して来てにわかに復活しました.今のところ監督,先発投手,4番打者という重責を担っています.草野球と「脳神経外科」の扉とどういう関係があるのか,とまともに質問されると困ってしまうのですが,いろいろに解釈できる面もあると思います.まあ聞いて下さい.
 勝ち負けはどちらでもよい,要は心身の鍛練であるという見方にとくに反対する理由はありませんが,やはり勝負事は勝つ方がずっと爽快ですから,正直なところ心のなかでは必戦必勝の信念に燃えています.草野球はその名の通り,一人一人が心技ともに未熟な者の野球です.勝れた投手が相手の攻撃をピッシャリ抑えてくれたり,内外野の守りが鉄壁であったり,打撃陣が連続安打の可能性をもっていたりということは期待できないのです.一人一人が自分の力量に応じたまずまずの働きをしてくれないと勝利には結びつきません.野球経験のない人にはキャッチボールやバットの振り方を教え,野球を観,野球を知ることを推めなければなりません.大切なことはプロ野球や高校野球でみられる見事なプレーは自分達初心者には真似ることができないことだと知ることかも知れません.野球は投手偏重のゲームですから投手の役割はとくに重要です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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