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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻11号

1979年11月発行

文献概要

Current Topics

遺伝子操作

著者: 中村桂子1

所属機関: 1三菱化成生命科学研究所

ページ範囲:P.1049 - P.1051

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 遺伝研究は,最近の生物学,医学分野での中心課題の1つといえよう.生物学では,分子生物学と呼ばれる分野が,この25年程の間にめざましい発展をしたが,その中でも特筆すべき成果は,遺伝子(DNA)の構造と機能の解明である.生物を,遺伝子というテープに組み込まれた情報に従って動く分子機械としてとらえ,その機能の解析を精力的に行ったのである.一方医学でも,遺伝と病気という問題が重要課題となりつつある.先天性代謝異常のように遺伝子と直接結びつく病気,がんや高血圧・糖尿病などの成人病と遺伝との関係,環境因子の遺伝への影響など問題は多様である.
 このような状況のもと,1970年代になって分子生物学研究の中で,遺伝子操作という技術が開発されるにいたりて,遺伝という問題は,さらに複雑な課題となった.生体の基本物質である遺伝子に人為的操作を加えるという技術は,生命現象解明に大いに役立つであろうという期待と同時にさまざまな危険を感じさせるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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