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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻12号

1979年12月発行

文献概要

総説

Metrizamideによる脳室,脳槽および頸部脊髄撮影

著者: 小林直紀1 斎藤由子1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター神経放射線科

ページ範囲:P.1123 - P.1132

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Ⅰ.はじめに
 脳槽撮影あるいは脊髄撮影には,これまで,lipiodolやmyodilなどの油溶性造影剤および空気あるいは酸素などの気体(陰性造影剤)が用いられてきた.油溶性造影剤はその吸収不良性とともに,髄膜炎あるいはくも膜炎の原因となり得ることは古くから知られており,気脳撮影はこれによる激しい頭痛が障害となり,gasmyelographyは患者を長時間,術中術後にわたり,不自然な体位に置くことを余儀なくさせ,神経根あるいは根嚢の造影が悪いという欠点を有している.これらの点より,粘稠性が低く,拡散性の大きい,吸収性の良好な水溶性造影剤の開発が待たれていた.1931年にArnells7)によって使用された水溶性のabrodilは刺激性が強く,腰部に限って,腰椎麻酔下に使用しなければならない欠点があった.1964年にはCampbellら12)が刺激性の比較的少ないmethylglucamine iothalamate(conray)を脳室撮影および脊髄撮影に用いて以来,これがヨーロッパおよび北欧を中心に広く用いられてきた.さらに1970年にはmethylglucamine iocarmate (dimer-X,dirax)がさらに刺激性の少ない造影剤として開発されるに到った9,17)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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