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Hereditary Asplenic-Athymic Mouse—Heterotransplantation of Human Glioma
著者: 山下正文1 竹下岩男1 大田典也2 高木東介1 北村勝俊1
所属機関: 1九州大学脳神経病研究施設外科 2九州大学脳神経病病理
ページ範囲:P.1139 - P.1144
文献購入ページに移動先天性無脾臓無胸腺(hereditary asplenic-athymic)マウス8,10,11,12)は,無胸腺ヌードマウス3,15,17)におけるT細胞機能不全に加え,無脾臓マウス1,4,5,6,8,11,12,16)のB細胞機能低下を合わせ持つマウスで,Lozzioらにより最初に報告され"Lasat"(ラサット)マウスと呼ばれている.このマウスは免疫学や血液学の分野において基礎的研究の対象として興味を持たれているばかりでなく,無胸腺ヌードマウスにおいて満足な移植成績の得られなかったヒト良性および悪性腫瘍,あるいはヒト正常組織の移植実験においても有用性が期待されている.ここに無脾臓マウスの由来,Lasatマウスの作出,特徴さらにこのマウスへのヒト神経膠腫の移植応用の実例について述べる.
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