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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻12号

1979年12月発行

文献概要

研究

RatにおけるCompression cerebral ischemia—その2.脳波の回復について

著者: 川上千之1

所属機関: 1山形大学脳神経外科 2

ページ範囲:P.1163 - P.1169

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Ⅰ.はじめに
 脳虚血後の脳機能の回復については議論の多いところである6,20).脳波は脳機能を示す某本的なparameterの1つであり5,23),実験動物で最も観察が容易なものの1つであるため従来から脳虚血後の脳波の回復についての研究は多いが,それらのほとんどは視覚的な分析によるものである3,19,21).これらの研究の結果,脳虚血後の脳再循環開始以後初めて脳波が出現するまでの時間(latency of recovery)が脳虚血による脳の損傷の程度を反映しているということがわかって来た2,4)
 著者らは白鼠において機能回復が良好なcompression ischemia modelを作製し,第1報でこのmodelの紹介と,脳機能回復におよぼす全身的要素の影響について報告した10).この筆者らのmodelは類似の方法で同程度の時間にわたる脳虚血を行った他の報告よりも脳波の回復が良好であると思われるので13,14),この脳波について詳細に分析することは脳虚血からの回復の過程や限界を知るうえで有意義なことであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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