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症例
Hydranencephalyの1例—その脳血管撮影像とCT像の検討
著者: 門田紘輝1 笹平正廣1 上津原甲一1 朝倉哲彦1
所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科
ページ範囲:P.167 - P.173
文献購入ページに移動頭囲拡大を呈する乳幼児の水頭症性病態の中で,頭蓋骨・硬膜は存在するが,脳外套部を欠き,髄液の高度に貯留するものは,hydranencephalyと呼ばれている.この病態は1835年Cruveilhierがanencephaly hydrocephaliqueの名称で初めて記載し,その後Kluge(1902年)7)がhydranencephalyと改称し,現在広く認められている名称である.
従来,本症の剖検例は数多く報告1,6,12)されているが,その生存時の脳血管撮影像についての報告10,14,18)は対象が乳幼児であるためか,あるいは長期生存例の少ないためか,比較的少ない.われわれは,最近hydranencephalyの1例を経験し,その脳血管撮影像を得ることができ,さらに,近年開発されたcomputerized axial tomographyで解析する機会を得た.そこでhydranencephalyの形態的特徴を脳血管撮影像ならびにCTスキャン像の面から検討して報告する.
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