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症例
蝶形骨洞に発生し鼻腔に進展した頭蓋咽頭腫の1例
著者: 藤谷健1 白馬明1 児島駿1 三島泰彦1 辻本壮1 西村周郎1
所属機関: 1大阪市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.181 - P.186
文献購入ページに移動頭蓋咽頭腫は,胎生期にみられる頭蓋咽頭管の扁平上皮の遺残より発生する腫瘍と考えられており,その経路である鼻咽頭後部より第3脳室底部に至るいずれの部位からでも発生しうるものである6).しかし,この腫瘍の大部分はトルコ鞍上部にみられ,時にはトルコ鞍内に発生するが,トルコ鞍下部の蝶形骨洞や鼻咽頭部に発生したり,あるいはトルコ鞍内に発生した腫瘍が下方に進展することは稀である.今回,著者らは蝶形骨洞に発生し,節骨洞を破壊して鼻腔および一側眼窩へと進展した頭蓋咽頭腫の1症例を経験し,sublabial rhinoseptalとtransantral approachの合併法により腫瘍の全摘出を行い治癒せしめたので報告する.
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