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総説
脳動脈瘤手術のpitfalls
著者: 鈴木二郎1 児玉南海雄1
所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科
ページ範囲:P.203 - P.210
文献購入ページに移動はじめに
われわれは,1961年6月より1975年9月の間に1,116例の各種脳動脈瘤を経験し,そのうち嚢状脳動脈瘤は1,080例であり,その1,000例について動脈瘤の直接手術を行ない,すでに各方面より検討し発表してきた1-8,11,12,14).
しかし,嚢状動脈瘤といっても,年齢,部位,発育方向,大きさ,流入流出動脈,動脈硬化,癒着の程度,動脈瘤壁自身の問題,手術時期,くも膜下出血,および脳内出血の部位ならびに量,手術接近法,術後管理などが症例あるいは術者によってそれぞれ異なっており,総論的に脳動脈瘤の直接手術について述べることは極めて困難である.今回は,著者の経験した約1,400例に近い動脈瘤の直接手術の経験から,その失敗例を思いおこし,手術の順序に従って脳動脈瘤手術のpitfallsについて述べるが,他山の石となれば望外の喜びである.
われわれは,1961年6月より1975年9月の間に1,116例の各種脳動脈瘤を経験し,そのうち嚢状脳動脈瘤は1,080例であり,その1,000例について動脈瘤の直接手術を行ない,すでに各方面より検討し発表してきた1-8,11,12,14).
しかし,嚢状動脈瘤といっても,年齢,部位,発育方向,大きさ,流入流出動脈,動脈硬化,癒着の程度,動脈瘤壁自身の問題,手術時期,くも膜下出血,および脳内出血の部位ならびに量,手術接近法,術後管理などが症例あるいは術者によってそれぞれ異なっており,総論的に脳動脈瘤の直接手術について述べることは極めて困難である.今回は,著者の経験した約1,400例に近い動脈瘤の直接手術の経験から,その失敗例を思いおこし,手術の順序に従って脳動脈瘤手術のpitfallsについて述べるが,他山の石となれば望外の喜びである.
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