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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻3号

1979年03月発行

文献概要

症例

硬膜動静脈奇形—完全摘出を行った1例と文献的考察

著者: 清水恵司1 奥謙1 呉淳東1 早川徹2 生塩之敬3

所属機関: 1関西労災病院脳神経外科 2大阪府立成人病センター脳神経外科 3大阪大学脳神経外科

ページ範囲:P.257 - P.263

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Ⅰ.はじめに
 硬膜動静脈奇形は,Newton(1968)15)が16例の症例をまとめてdural arteriovenous malformation of the posterior fossaとして報告したごとく,後頭蓋窩に生じることが多く,内頸動脈天幕枝および硬膜枝,外頸動脈の分枝である後頭動脈,ascending Pharyngeal arteryの硬膜枝および中硬膜動脈のPosterior branch,そして椎骨動脈の硬膜枝等を流入動脈とし,横静脈洞あるいはS字状静脈洞等に流出する一連の動静脈奇形である.この様なdural arteriovenous malformation(以下dural AVMと略す)は,症状,治療,血流動態の面で脳実質内動静脈奇形とは明らかに区別すべき疾患である.
 近年,このdural AVMに対して色々な手術が行なわれ,多数の報告がみられる様になったが再発することが多かった.最近著者らは両側横静脈洞,直静脈洞および上矢状静脈洞を閉塞するdural AVMを経験し,閉塞された静脈洞交会および両側横静脈洞を含めてdural AVMを全摘しえたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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