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症例
頭蓋内cavernous hemangioma—脳室内発育の1症例を中心として
著者: 難波真平1 石光宏1 仲宗根進1
所属機関: 1国立岩国病院脳神経外科
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動頭蓋内cavernous hemangioma(CH)は臨床上比較的稀な疾患であるが,その多くは脳実質内あるいは中頭蓋窩の脳外に発生し,脳室内発生はきわめて稀である9,13,18,20,24,30,33,34).また本症は,血管腫(本症は真の腫瘍ではないが,動静脈奇形と区別するため,血管奇形という言葉を用いず,本論文では血管腫と称する)でありながら,脳血管撮影上,それ自体のいわゆる"vascularstain"を呈することは稀であり,avascular areaを有するspace taking massとしての所見を呈することが特徴であると報告されている9,13,18,22,24,30,34).
最近われわれは,くも膜下出血の発作で発症し,脳神経外科的検査および手術の結果,右側脳室体部を中心とする4×3×3cm程度の大きなCHであることが判明した1症例を経験したので,この症例を中心として頭蓋内CH,ことに脳室内に発育した本症の臨床的特徴などについて検討を加えた.
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