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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻4号

1979年04月発行

文献概要

Current Topics

脳腫瘍ウイルスの具象と抽象

著者: 日沼頼夫1

所属機関: 1熊本大学微生物学教室

ページ範囲:P.319 - P.320

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 かつて脳腫瘍の病因にウイルスを擬することは幻想としかいいようがなかった.ひそかに,しかしおびただしい脳腫瘍切片が電子顕微鏡下で観察されたにちがいない.しかしそれは幻滅のはずであった.何故ならば,現代ウイルス学は,ウイルス感染によって正常細胞が腫瘍化することを実証したあげく,その腫瘍化細胞内にはウイルス粒子の形態は認識し得ないことを証明したからである.そして存在するものはそのウイルスの遺伝子とそれによってコードされた一部のウイルス蛋白のみであるという原則を示した.そしてヒトを含めた動物の腫瘍の少くとも一部は,腫瘍ウイルスによって発生することが明らかにされている.
 われわれは新しい鋭敏な生化学的,免疫学的方法を手にしている.そしてこれらの武器をもってする狩猟の対象には当然ヒト脳腫瘍が含まれてくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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