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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科7巻4号

1979年04月発行

文献概要

研究

末端肥大症例における脳血管径の測定

著者: 蟹江規雄1 桑山明夫1 高野橋正好1 中根藤七1 景山直樹1

所属機関: 1名古屋大学脳神経外科

ページ範囲:P.339 - P.343

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Ⅰ.緒言
 末端肥大症は成長ホルモンの分泌が過剰になることにより起こる疾患である.本症の病像は古くより記載されて,最近においては下垂体障害調査研究班の二次調査の集計成績1)が発表されている.それによると手足の容積の増大,末端肥大症顔貌,心肥大,巨大舌,その他があげられている.成長ホルモンの大きな特徴は標的器官を有しないことである.成長ホルモンの作用は多岐にわたり,第一にprotein anabolic effectにより細胞容積および細胞数の増加をきたし,筋肉,骨格,内臓の増大発育を促す.
 Warembourgら9)は末端肥大症で両側股動脈の著明な拡大dolichomega動脈を認め,それが下垂体腺腫に起因するものと考えた.Hatam and Greitzら6)は末端肥大症においては脳血管の拡張が認められると報告している.われわれも日常,当教室にて経験する本症例において脳血管径の拡張している印象をもっており,今回個々の症例の血管径を測定し正常例における血管径と比較検討し拡張の有無を調べてみた.またあわせて本症例の血管径と成長ホルモン基礎値,heel-pad thickness,病歴期間等の相関関係を調べ若干の興味ある知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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