文献詳細
文献概要
研究
小児軽症頭部外傷と嘔吐
著者: 山本豊城1 長田裕1 佐藤慎一1 田中清明1 伴貞彦1 長久雅博1 尾形誠宏1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.363 - P.369
文献購入ページに移動幼小児の軽症頭部外傷患者で,外傷後早期に,反復性の嘔吐と傾眠がみられることはよく経験するところである.
頭部外傷後間もなく,患児が傾眠状態となり,顔面蒼白と嘔吐が出現すると,患児の両親は,外傷性頭蓋内血腫を心配し,急患として病院を受診することが少なくない.ところが,これらの症例のうちの大多数は,臨床所見と補助診断法によって外傷性頭蓋内血腫の存在は否定され,輸液をおこなうと,嘔吐は急速に消失し,翌日には患児は元気になり,神経症状を残すことはない.
掲載誌情報