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頭蓋内血管の超選択的血管造影および閉塞治療に対するBalloon catheterの応用
著者: 滝和郎1 半田肇1 山形専1 松田功1 米川泰弘1 筏義人2 岩川博夫2
所属機関: 1京都大学脳神経外科 2京都大学化学研究所
ページ範囲:P.431 - P.435
文献購入ページに移動脳動脈瘤,脳動静脈奇形,脳動静脈瘻などに対する脳血管外科のapproachには,大きくわけて,血管外approachと血管内approachの2つがある.前者は,近年,Microsurgeryの導入などにより著しく進歩したが,未だ,その存在部位とか大きさによっては,手術の難しいものもある.また,かなり危険性を伴う場合もある.後者は最初,主として頸動脈海綿静脈洞瘻の治療に主眼がおかれていた.
1930年,Brooksが筋肉片を用いて,頸動脈海綿静脈洞瘻を治療して以来1),栓塞材料,catheter,手技等に多くの改良がなされてき,1971年にはProloとHamberyがFogarty catheterを用いて頸動脈海綿静脈洞瘻を治療した4).このballoon catheterの導入は,2つの重要な意味をもっている.1つは栓塞子の大きさを自由に変化できること,もう1つは,より選択性を増すということである.しかしながら,これですべての問題が解決されたわけではなかった.それらの中でも頸動脈血流を保つこと,catheterからのballoonの離脱は大きな問題点である.
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