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Case Study
脳卒中様発作で発症した慢性硬膜下血腫3例
著者: 太田富雄1 吉川幸弘1 梶川博1
所属機関: 1大阪医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.539 - P.547
文献購入ページに移動頭蓋内血腫をcomputed tomography(CTと略す)で診断するとき,血腫が脳実質内(intracerebral)にある場合と,脳実質外(extracerebral)にある場合では,かなり違ったCT所見を示す.とくに慢性硬膜下血腫は,頭蓋内血腫のCT診断の泣き所6,9,11)であり,診断上色色な特徴的な所見,工夫1,21,23)が報告されている.今回case studyとして慢性硬膜下血腫を呈示する理由は,本症に特徴的なCT所見を論じようとしたからでなく,頭蓋内血腫のなかで,この血腫だけが"何故そのように特異的であるのか?"を考えてみようと思ったからである.そのことにより,慢性硬膜下血腫の維持または増大機序について,新しい糸口を見出しえるかも知れない.
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