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Case Study
テント裂傷による新生児の側頭後頭葉底面硬膜下血腫
著者: 平川公義1 藤本正人1 上口正1 成瀬昭二1
所属機関: 1京都府立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.735 - P.742
文献購入ページに移動新生児死亡の原因として,出産外傷に伴う頭蓋内出血,とくに硬膜下出血の頻度は高い.しかし新生児では,乳幼児に通常みられる円蓋部橋静脈損傷による硬膜下出血よりも,テント裂傷による硬膜下出血の方が多く,後頭蓋窩出血による脳幹圧迫から重篤となる.従って従来,前者に対しては大泉門から硬膜下穿刺を行い,診断・治療をなし得ても,後者に対しては,診断をなすすべなく,徒らに拱手扼腕,死を待つのみであった.たまたま発見し得た遷延例に対してのみ,救命したとの報告があった.
しかるに近来,CTスキャンの導入により,血腫の存在を知ることは容易となり,救急治療への期待を抱かせ得るのであるが,しかしCT像の解釈も,新生児硬膜下出血に関する知識なくしては正確な診断は望み得えず,また良い治療も期待し得ないのである.
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