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研究
Cytospinを用いた脳腫瘍の髄液細胞診
著者: 山下純宏1 織田祥史1 武内重二1 中尾哲1 岩城和男1 半田肇1
所属機関: 1京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.751 - P.758
文献購入ページに移動脳腫瘍の髄液細胞診の歴史は今世紀初頭に逆上るが,それ以来現在に至るまで,種々の方法が開発されて来たが,必ずしも満足すべき結果が得られたとは言えず,広く普及するには至らなかった.特にCT出現後の現在では,病歴,神経学的検査およびCTにより,腫瘍の有無と局在に関しては,ほぼ100%診断が可能である.ただ,CTの弱点は,病変の特異性を識別する能力が必ずしも高くないという点にある.
われわれは,CTの時代に,髄液細胞診が脳腫瘍の補助的診断法として,どの程度有用であるかという点に着目しつつ,cytocentrifugation(細胞遠沈法)の原理を応用したCytospinを用いて髄液細胞診を行った.
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