文献詳細
文献概要
症例
穿通性小脳外傷の1例
著者: 藤井徹1 今井治通1 船橋利理1 有本平1 駒井則彦1
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.881 - P.887
文献購入ページに移動頭部外傷におけるテント上病変の臨床報告および実験報告は多くなされてきたが,テント下病変のそれははなはだ少ない.中村9)の報告では頭部外傷1,300例中小脳症状のみを呈したものはわずかに5例(0.4%)であった.これは解剖学的に外傷を受けにくいという特殊性に基づいていると思われる.開放性後頭蓋窩損傷はさらに頻度が少ない.しかも生存例の報告はきわめて珍らしく,本邦では未だその報告をみない.われわれはこのような貴重な1例を経験し,Holmes5)の報告以来発現機序が問題となっているskew deviationも観察したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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