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症例
巨大動脈瘤—1例報告と文献的考察
著者: 越川法子14 神尾正己1 関野宏明1 中村紀夫1 持尾聰一郎2 城謙輔3 小森亮3
所属機関: 1東京慈恵会医科大学脳神経外科 2東京慈恵会医科大学第3内科 3東京慈恵会医科大学病理 4秋田県立脳血管研究所外科
ページ範囲:P.79 - P.88
文献購入ページに移動頭蓋内巨大動脈瘤は全頭蓋内動脈瘤の約5%と比較的少なく51),椎骨脳底動脈あるいは内頚動脈などに発生し易いと言われている.さらに,巨大動脈瘤はくも膜下出血をもって発症することも勿論あるが,頭蓋内占拠性病変としての症状をもって発症することが多く49,58,78),殊に椎骨脳底動脈系動脈席においては多彩な神経症状を呈する点でよく知られている6,45,49,78).
著者らは脳底動脈本幹部に発生した6.5×6.0×3.5cmの巨大動脈瘤で,これ虫で報告された最大級の大きさを示した1例を経験した.本症例は両側内側縦束症候(以下MLF症候)その他の多彩な神経症状を進行性に示した後に動脈瘤破裂により死亡したが,この最後の2年間の動脈瘤の形態変化を椎骨動脈撮影によって観察しえた.この巨大動脈瘤の成長過程をその病理解剖所見と対比して興味ある知見を得たので文献的考察を併せて報告する.
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