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ピトレッシン(ADH)不応症
著者: 斉藤壽一1 岩佐英明2
所属機関: 1自治医科大学内分泌代謝科 2自治医科大学脳外科
ページ範囲:P.921 - P.924
文献購入ページに移動脳外科術後において経験される多尿は,しばしば下耐本後葉系の機能低下によるADH(抗利尿ホルモン)の欠乏に由来している.しかしながら,尿量を中心とした体液の水,電解質代謝を正常化する上で必要なADH製剤,ピトレッシンの最は患者の病態により必ずしも一様ではない.しかも,ピトレッシンの過量は,ときに極めて危険な急性水中毒をひきおこすことから,何を指標として,いかにピトレッシンを使用していくかが臨床上重要なかぎとなる.
ピトレッシンには,抗利尿作用すなわち尿の濃縮効果のほかに,腸管運動亢進,細小動脈収縮等の平滑筋作用も認められるが,本稿では尿の濃縮に対する不応症を中心に考えてみたい.
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