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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻10号

1980年10月発行

文献概要

研究

Mannitol製剤投与による代謝性アシドーシスの成因

著者: 安本和正1 稲田豊2

所属機関: 1昭和大学医学部麻酔学教室 2東京大学医学部麻酔学教室

ページ範囲:P.965 - P.973

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I.はじめに
 脳神経外科麻酔における最も重要な課題は,脳圧の管理であろう.したがって麻酔の実施に当っては脳圧上昇作用を有する麻酔薬の使用を控えることは当然のことであるが,少しでも脳圧を低下せしめるように積極的に過換気を行い,mannitol製剤や副腎皮質ホルモンを投与し,更に体位にも各種の配慮を行っている32)
 その麻酔中の過換気がおおむね良好なレベルであるか否かを知る目的で,術中動脈血のガス分析を行ったところ,順調な麻酔経過をたどっていたにもかかわらず,思いもかけない強い代謝性アシドーシスを呈する2,3の症例に遭遇した,しかし,その代謝性アシドーシスを来たす原因を知ることができなかったので,数例の症例において麻酔導入後時間を追って血液ガスを測定したところ,base excessの低下はmannitol製剤投与後に発生することが判明した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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