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文献概要
症例
上眼瞼向き垂直性自発眼振を呈したChiari奇形I型の1例
著者: 畑下鎮男1 下地武義1 清水昭1 石沢敦1 田中幹夫2
所属機関: 1順天堂大学脳神経外科 2順天堂大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.989 - P.994
文献購入ページに移動cervico-medullary junction部の病変に伴う水平性または垂直性眼振については古くより記載がある1,2).1954年CoganおよびBarrows5)により思春期以降のArnold-Chiari malformationやbasilar impressionの症例についても下眼瞼向き垂直性自発眼振が報告され,更に1968年Cogan6)はdown beat nystagmusを同部病変の特異的眼振として提唱している.以後この意見を支持する多くの報告があり,下眼瞼向き垂直性自発眼振は,下部脳幹髄内障害または小脳正中部障害により発生するとされている13).しかし小児期に発症したChiari malformation I型に伴う上眼瞼向き垂直性自発眼振の報告例は,われわれが調べえた範囲では発見されず,同眼振の責任病巣についてもいまだ結論が出ていないようである.われわれはこのような症例に後頭蓋窩減圧術を行い,眼振の消失をみた症例を経験したので文献的考察を加えここに報告する.
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