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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻11号

1980年11月発行

文献概要

Current Topics

中間子療法—特に脳腫瘍について

著者: 竹中栄一1

所属機関: 1東京大学放射線医学教室

ページ範囲:P.1023 - P.1029

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I.はじめに
 癌の放射線治療成績は1955年以来,コバルトの普及により,次いでLinac等の高エネルギー治療装置の開発利用により著しく向上した.放射線感受性中等度の扁平上皮癌等は初,中期なら大部分制御可能となり,被治療患者が多く社会復帰するようになると,放射線障害を少なくすること,機能保持の上治療することが要求されるようになった.またいわゆる難治性腫瘍や進行癌等の治療成績を上げるため,高LET(註1)放射線が生物学的作用の点で有効ときれ,中性子は英国Hammersmith Hospitalで効果が確認された8).わが国でも放医研,東大医科研で数百例の治験例がある.更に正常組織の障害を少なくし,中性子による難治性腫瘍に対する放射線療法として陽子線療法,中間子療法,重粒子線療法が米国ではトライアル中である.これらの加速粒子は物理的長所,生物学的作用において一長一短であり,臨床的評価は未確定である.これらのうち特に中間子の脳腫瘍に対する療法について特長と現況,将来性等について簡単に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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