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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻11号

1980年11月発行

文献概要

研究

水溶性抗癌剤Bleomycinの長期徐放性剤型に関する研究

著者: 片倉隆一1 森照明1 峯浦一喜1 鈴木二郎1

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.1057 - P.1062

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I.はじめに
 脳腫瘍に対する化学療法において最大の治療効果を得るためには,抗癌剤の選定,投与量,時期,期間,経路,等について充分な検討が必要である.このうち投与経路に関しては全身投与法と局所投与法があるが,現在脳腫瘍に対して行われている局所投与法としては,薬剤の腫瘍血管への持続注入法3,4,9),髄腔内投与法16,17),嚢胞内投与法1,8,2,15)等が挙げられる.更に最近では,抗癌剤の剤型を変えることにより局所に長期間抗癌剤を持続放出する製剤,すなわち徐放性製剤が作成されており10,11,13,14),これらは全身投与に比べ副作用を最小限に抑え,しかも腫瘍組織内濃度を高め,接触時間を延長せんとする試みである.そして長期徐放性を保たせるために,従来は主に脂溶性抗癌剤に関する研究がなされてきた.しかし,頭蓋内投与を目的とした場合,より生理的条件に近く,副作用の少ない水溶性抗癌剤の使用が望ましいと考えられるが,現在までこれらについての報告は見られない.
 今回われわれは,水溶性抗癌剤であるBleomycinを用い,15日以上の長期徐放性を有する剤型を考案した.これは頭蓋内投与はもちろん,広く他領域での使用も可能であり,その基礎実験について述べるとともに,投与法に関する若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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