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症例
Hydrocephalusを合併したCranio-Facial dysostosisの1例
著者: 河井宏一12 重森稔1 尹清吉1 空閑茂樹1 倉本進賢1
所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2鹿児島市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.1093 - P.1099
文献購入ページに移動小児の頭蓋顔面奇形のなかには,顔面頭蓋の発育障害のために両眼離反,両眼球突出,外斜視,下顎突出等が認められるcranio-facial dysostosisがある.このcraniofacial dysostosisは1912年にCrouzonがDysostosecranio faciale hereditaireと命名し,遺伝性,家族性に起こる狭頭症の特殊型であることを述べた.以来,cranio-facial dysostosisにつき数々の報告がみられる.通常cranio-facial dysostosisは顔面奇形のほかに,冠状縫合,矢状縫合の早期癒合のためにoxycephalic craniosynostosisを呈することが多く,時折先天性水頭症を合併する.この場合は顔面頭蓋の発育障害,狭頭症,水頭症の三者が競合するために,頭蓋の変形が著明でクローバー葉状を呈し,cloverleaf skull syndromeと呼ばれている.
今同,われわれはcranio-facial dysostosisにhydrccephalusを伴った症例を経験したので,本症例の発育経過やhydrocephalusの発生機序につき若干の文献的考察を加えて報告する.
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