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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻12号

1980年12月発行

文献概要

研究

Contrast enhancementに及ぼす高張Glycerolの意義

著者: 森山隆志1 斉藤和子1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科 2

ページ範囲:P.1155 - P.1162

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I.はじめに
 computed tomography(CT)が開発されてまもなく,ヨード系血管造影剤使用によるcontrast enhancement(CE)効果が報告されたが1),その効果を左右する因子としては,造影剤の種類,量,投与方法あるいは投与後のCT scan開始までの時間等,造影剤に関連した因子のほかに,被検者側の因子として,血液中の造影剤濃度,vascularity12,25,29),および造影剤の血管外漏出(extravasation)10,11,21,24)が考えられている.
 今回われわれは,通常のCEでは比較的enhanceされにくいといわれる良性gliomaに対して15,18,24,30,33),造影剤投与後の時間経過に伴うCE効果の変化を調べたところ,delayed scanにおけるCE効果は,主として造影剤のextravasationによる15)という結論に至った.そこでこの考えに基づき,CE効果の増強を目的として,高浸透圧剤(glycerol)をあらかじめ投与したのちに,CE scanを行ったところ,有意と思われる結果を得たので,その方法等について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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